貝殻地蔵A

585: 本当にあった怖い名無し:2011/11/09(水) 01:09:37.35 ID:5HGm50CP0
不意に目が覚めた。

今何時だろうと思って壁に掛けられた時計を見てみると、時計が八時半あたりで止まっていた。
バーベキューから戻ってきたくらいがそんくらいの時間だった気がする。
とりあえず携帯を見ようと携帯に手を伸ばしかけて、風呂や歯磨きをしていないことに気づいた。
周りのみんなは爆睡している。

みんなは寝てるしなんとなく暗闇が怖かったから、
部屋の電気をつけようと思って電気のスイッチを押した。
…明るくならなかった。

はあ?停電?と思ってしばらくパチパチ押すのを繰り返していたけど、
無駄だとわかって、じゃあ風呂は諦めようと思った。
暗闇の中のシャワーとか怖すぎる。

せめて歯だけでも磨こうと思って、俺は洗面台に向かった。
ところが、そこで異変に気づいた。洗面台の排水溝に、物凄い量の髪の毛が詰まっていたんだ。
こんなに髪が長い奴は俺達の中にいない。気持ち悪いと素直に思った。生理的に無理。恐怖を感じた。

なんだよこれどういうことだよ…必死にその場で考えようとしたけど、恐怖の方が勝って、
とりあえず、みんなが部屋に居る部屋に戻ろうとした。その瞬間

ばあんっっっ!!

と玄関に何かがぶつかったような音が響いた。
心臓が口から吐き出されるかと思ったほど俺はびびった。
そしてまた、

ばあんっ!!
これで二回目。
ばあんっっ!!
三回目。
ばだあああんっ!!
一際大きい四回目。
そして静寂。

もう俺は何がなんだかわかんなくなっていた。気持ち悪い。吐き気すらする。
恐怖で叫び声を上げることすらできなくなっていた俺は、
泣きそうになりながらじりじりと後退りし、みんながいるところまで戻ろうとした。
なぜ、後退りか?玄関から目が離せなかったんだ、怖くて。


588: 本当にあった怖い名無し:2011/11/09(水) 01:12:09.61 ID:5HGm50CP0
すると、その緊張感をほぐすかのように。
かかか、かん…というような音を立てて、みんながいる部屋の電気が…ついた。
A「なんだよ今の音…」
B「うるっせえな…」
C「なに…?」
それと同時に、みんなが起きる声がした。

良かった、これでかなりほっとした…そう思って玄関から目を外し、俺は振り返る。
俺「今」
意味分かんねえことが起きたんだよ、と言おうとして俺は言葉を失い、顔面の筋肉が凄い勢いで引き攣った。
この瞬間を俺はこの先一生忘れることはないんだろう。
みんなが座っている部屋の中央に。

俺に背を向けるようにして、女が、立っていた。

伸びまくって床についているひじきみたいな髪の毛。
和服のような、とにかく汚いズタボロな服。腰に鈴がいくつもついていたと、高2の俺は記述している。

そこで俺は気付く。俺に対して背を向けてるんじゃなくて、Bを見ているんだと。
B「なんだよ、そんなとこに突っ立って口あけて、何してんだよ、お前」
俺に向かって怪訝そうに言うB。その鼻から、鼻血が流れ出していた。
B「え?鼻血?…ってか目が痛ぇ。目。目が。」
その目は、人間ってこんなになれるんだと思うほど充血してて。
B「目が!!」
Bは急に騒ぎだした。首から上がいつの間にか真っ赤になっていて、うっ血してるようだった。
鼻血からの展開が急すぎて、なんか俺もついていけない。ってか、その前に恐くて一歩も動けない。

Bから目を離してAを見ると、Aは、鼻血を流しながら女を動揺した顔で見上げていた。
Cは、Bどうしたんだよ、大丈夫!?と至って普通な反応。
どうやら、Aと俺にしか女が見えてないらしかった。
こいつは人間じゃないっていうその事実を飲み込むのに、数瞬かかった。
というか、さっきから、女がブツブツと何かをつぶやいている。


594: 本当にあった怖い名無し:2011/11/09(水) 01:15:49.61 ID:5HGm50CP0
「  ソワカ  シキソ ンミッタ ソワカ カシコミカシコミマモウス   」

聞き取れれたのはこんくらいだけど、ぶつぶつ呟いてた。
そわかとかしこみかしこみまもうすだけは、はっきり聞き取れた。
そのうち自分も鼻血を流していることに気付いた。拭ったところで、動かなきゃという思いに駆られる。
だけど、足がすくんで助けに行くことが出来ない。そこで、
俺「A!!」
と、叫んだ。叫んだといっても、自分でも驚くほどぱっさぱさに渇いて掠れた声で、だ。

Aは俺に呼ばれてはっとしたようで、「C、来い!」とCに声をかけると、
かなり素早い動きでBをお姫様抱っこして、女の横を素早く通り抜けこっちに向かって走ってきた。
Cも困惑した顔でこっちに走ってくる。
Aは俺をこして玄関前まで止まらずに走り、
A「C、開けてくれ!」
とCに頼み、Cに玄関を開けてもらって、Bを抱えたまま弾かれるように外へ出て行った。

CはAの後についていこうとして、玄関で俺を振り返り、「早く!」と俺を手招きした。
俺はというと、まだ動けなかった。なんか、立ったまま腰が抜けた気分だった。
視線をCから、女に移す。
…女は、ぶつぶつ言いながら、こっちを振り返ろうとしていた。

その緩慢な動きのなかで、横を向いた女の「首」に…えぐられたような傷跡があるのに気付いた。
ぐろい。気持ち悪い。
吐きそうな気分になり――俺は、女がこっち向きになるにつれて、目が痛くなっていることに初めて気付いた。


600: 本当にあった怖い名無し:2011/11/09(水) 01:20:48.40 ID:5HGm50CP0
あ、やばい。
そう確信した瞬間、Cに方を強く引っ張られた。
C「行くぞ!!」
いままで聞いたこともないCの怒鳴り声ではっとし、足が動いた。

そっからはもう、Cの手を握って引っ張りながら、無我夢中に逃げた。
エレベータまで行くとAがエレベータの扉を開けて待っていてくれて、
一階まではエレベータで降りた。そっからは俺がBを背負い、真夜中のランニングが始まった。
とにかく、マンションから遠ざかりたかった。

後日談とかあるけど、とりあえず、ここまでで終了にします。
こんな話を最後まで見てくださって有難う御座いました。
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